
痛みや吐き気、しびれといった自覚的な身体症状がみられ、日常生活にも支障をきたしているにもかかわらず、医療機関で精査を行っても、身体的な原因が認められない状態が身体表現性障害です。
心身の過労や、職場の異動や引っ越し、近親者との死別などの身辺の環境変化といったストレスが発症の引き金になっているのにそのことに気づかず、言葉でうまく表現できないような方に、身体症状で現れるということもあるようです。
身体表現性障害の症状
身体表現性障害では、以下のような症状が見られます。
転換症状
身体的な原因が確認されないのに、視力に障害が生じる、感覚が鈍麻する、立てなくなる、歩けなくなる、声が出なくなるなどの症状を認める。
心因性疼痛
痛みを説明するのに十分な身体的異常が無いにもかかわらず、重い痛みが続く。
心気症
体に対する誤った解釈をして、がんなどの重病にかかっているのではないかという恐怖や考えにとりつかれてしまう。
身体表現性障害の治療について
恐怖・不安・抑うつ症状が伴うことが多いので、抗不安薬や抗うつ薬を用いた薬物療法を行います。
薬物療法と同時に、症状が悪くなる要因、逆に症状が良くなる要因を明らかにし、症状が軽くなるような考え方と行動を促していく精神療法を行います。